： 戦い終えてどうか?
■ 佐藤光留：僕の思う『楽しい』っていうのは、『楽』じゃなくて、『面白い』のはずなのに、なんでこんなに面白かったんだろう、楽しかったんだろうっていうのが感想ですね。もっと息も出来なくなるような、競技としてじゃなくて、本当に生物として生死を賭けるような、無差別の戦いを1年やってきて、数字だったり、キャリアだったり、体重だったり、そういうものを差別無しでやってきて、そんな中で生き抜いてきて、楽しい、面白いなって思って、軽くあんな小石飛び越えてやろうって思ってたのに、あの野郎、笑ってやがる、ムカつく。オレも笑っちゃったんだよな、ムカつく。

： 感情が噛み合いすぎた?
■ 佐藤光留：分かんないです。分かんなかったから決着つかなかったんで。あんなに下にいて、思いっきり殴ったの久々ですよ。前、10月にポアイ選手とやったときは、とにかく勝ちたかった。なんとしてでも乗り越えたかった。7月に小椋(誠志)選手とやったときは、頭『殺す』って書いてあったから、殺してやろうって思った。心でほしくて殴った。分かんない、今日殴ったのは。俺も笑ってるし、向こうも笑ってるし。殴って楽しい、殴られて楽しいってよく分かんない。多分、それは厳密に言えばパンクラスじゃないんだと思います。パンクラスが抱えた理念とは違うんだと思います。でももし、旗揚げのときに僕とあいつが生まれてたら、入門してたら、デビューしてたら、もっと早くこうなったと思うんですよね。そう思います。

： 旗揚げルールは初めて?
■ 佐藤光留：試合では初めてですね。でもジャージで鈴木さんと戦ったりだとかやったことあるし。本戦に入んねえ試合だってやったし。熊本でも、誰も俺知らないし。デモリッションで韓国人と試合したこともあるし、こんどは駐車場かな。関内のパチンコ屋の駐車場で。いいよ、電車賃かかんねぇし。

： 今までのルールと旗揚げルールは違った?
■ 佐藤光留：違いましたね。全然。だから、すごい緊張しました、そういう部分では。あんまり緊張して、ときほぐそうとして、横浜の海見に行って興奮してきたから、掌底でスパーやってたら、外国人の観光客に写真撮られましたからね。でもね、佐々木恭介って人間は、なんだろ、あんな辛気臭え顔してさ、頭にわけ分かんないライン入ってるしさ、ちゃんと鈴木さんに許可得てライン入れてるのかって。分かんねえけどさ。世間的にはあいつも俺もプロレス界において何の価値もない男ですよ、正直。いや、本当本当。近藤さんの試合観にきてるんですよ。伊藤さんの復帰戦観にきてるんですよ。ゲイ野郎の総合デビュー戦観に来てるんですよ。川村って奴ですけど。もう(お客さんを)置き去りにしてでも、とにかくあいつとやってて超楽しかった。この価値観をあなたもどうぞ、とは言わないです。でも、今の総合の、冷たい総合ですから、僕から見たら、パンチが当たった、キックが当たった、腕が折れたと、凄惨なシーンでみんなが指差して手叩いて、強えーなあいつ、弱えーなあいつ、ザコだなあいつって。なんか言動がムカつくな。冷えた総合ですよ。冷えた格闘技ですよ。

： 今年を振り返ってどうだったか?
■ 佐藤光留：25歳になりました。関係無いっすよ。関係無い。大晦日に闘った人たちが正月迎えるのに顔中アザだらけなんですよ。病院の中かもしんないですよ。そういう格闘技の本質、祝日だろうが、休日だろうが、平日だろうが、仏滅だろうが、大安だろうが、家族が死のうが、子供が産まれようが、もう俺たちが生きる場所はリングだけなんです。絶対。最高。リングに上がることが生活の一部なんです。生き方。本当にそう思います。だから、来年になろうが、今年になろうが、うちの公式のホームページにまた馬鹿なこと書くだけですからね、日が変わったら。出番が増えるからそれでいいっすよ。そんだけ。やること変わんない。1月も試合出ます。言っちゃいけないだろうけど、とんでもない人と、とんでもないところで試合します。でも、そのために、もう今日は今日で終わり。次は1月26日。北岡の前座、大石も出るみたい。アライも出るって言ってたかな。そいつらの前座。俺だけの価値観で行きます。ムカつくな、何しゃべってもアイツの顔うかんでくる。本当ムカつくな。

： ism興行ということに関しては?
■ 佐藤光留：言葉が出ないですね。昨日ね、國奥さんと会ったんですよ。偶然、駅で。國奥さんが辞められて以来、会って。『頑張ってね』って握手されたんですけど、涙が出そうでしたね、本当に。チームって何なんだろうなって、仲間って何なんだろうなって、ismって何なんだろうなって。美濃輪さんからもメール来たし。そう思いますね。1月に北岡も出て、僕も出て、大石も出て、お前(川村)出る? 出るって言えよ。川村出るそうですから。枠無かったらお前ゲートだからな。小谷野と。毎興行ism興行でいいですから。で、2月大森でしょ。3月大阪でしょ。で、4月ディファ。毎回、毎回、ism興行でいいじゃない。ismが出てたらism興行だったら、俺らが出たらism興行でしょ。ねえ。だから、毎回ism興行です。近藤さんももう1回ヤノタクさんとやればいいし。

■ 佐藤光留選手database