セミファイナル 初代フェザー級王者決定トーナメント 第一試合 5分3ラウンド
×志田幹
(パンクラスP's LAB東京)
vs DJ.taiki
(K.I.B.A.)
3R 2:03、TKO(レフェリーストップ)/スタンドのパンチによる
■ 志田幹(63.7kg) セコンド:北岡悟
■ DJ.taiki(63.3kg)
レフェリー:廣戸聡一

この日のパンフレットをは、DJ.taiki選手が表紙で、この試合は相当のプレッシャーがかかったと思います。連勝していれば、次こそ負けてしまうのではと思ってしまうしのが、当たり前の選手、人間の心理ですが、その上にこういう冠のイメージを与えてもらえるという事は、選手としては面白いし、プロ選手はそれを目的に試合をしてはいますが、実際にそういう立場を唐突に与えられると、これは大勢が見てくれてれば、くれている程に、絶対勝たなくてはいけない等、色んな事に気が行き、心が弱くなってしまいます。そんなプレッシャーの中でDJ.taiki選手がどんな試合をするのか。見た目のイメージもあり、フロックじゃないか、まぐれじゃないかと、色々な事を言われるし、相手は強そうに見えてしまいますから、そういう意味ではプレッシャーにはね勝って手堅い試合をものにしたDJ.taiki選手は決勝に向け、素晴らしい試合をしたと思います。

志田選手は1ラウンド、手堅い滑り出しをしました。やはりスタンドの打撃から、相手をコントロールしてグラウンドまで持ち込んで行くところなんかはさすがだなと思いました。打撃の切り返しをしながら、自分の中で相手をコントロールして行く辺りは、素晴らしい立ち上がりを見せたと思います。 試合が流れ始めたという点では、志田選手に関しては、最初の勝機を掴んで勝ちに持ち込むとしたなら第1ラウンドだったと思います。それを2ラウンド目でDJ.taiki選手が凌ぎだします。やはり、グラウンドコントロールであるとか、そういう意味での守りの高さというのはDJ.taiki選手は一戦毎に上がって来ています。その部分では志田選手は予想外だったかもしれません。そうこうしているうちに、懐深いDJ.taiki選手から打撃戦一本の流れを作られてしまうので、そうなってくると回転の速いパンチと、ノーモーションで伸びのあるストレートとジャブに志田選手は面喰った様です。
志田選手は自分が打ちたくて、懐に入りたくてしょうがないので、DJ.taiki選手の前に前に入って行くところに伸びのあるストレートと、左右のフックというのは意外に視界の外から入って来るので、その様な形で来たフックは効いてしまいます。また、DJ.taiki選手の打撃というの、ネツラー選手の時に言った様な、もう一方の打ち抜きの打撃です。なので軽くすっと入って来た様に見え、力感が無いのですが、相当に脳みそを揺らされます。DJ.taiki選手と試合をして倒される選手は、大きくのけぞるとかではなく、必ず膝にかくんと来て、一瞬沈んでしまいます。脳を揺らされてしまう事で、志田選手としては、今迄に無いようなパンチを喰らった様な感じがしました。最終ラウンドで連続パンチを受け足が弛むという様な場面は、まさにそういう部分だったと思います。DJ.taiki選手の真骨頂でした。

志田選手は惜しかったですが、そういうパンチがあるという経験をしたと思うし、利発な選手なので、王座決定後、自分が最初の挑戦者なるんだという気構えにして、これからの試合を組み替えて、是非とも第二代のチャンピオンになって貰いたいなと思っています。
決勝に向けては、DJ.taiki選手は、自分らしさを研ぎ澄ましてもらいたい、というところです。十分今のままで、ペースを崩さないで、よりアベレージを高くする様な練習をしてもらいたいです。

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