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第6試合 ミドル級戦 5分3ラウンド
×佐藤光留
(パンクラスMISSION)
佐藤光留 vs ガジエフ・アワウディン ガジエフ・アワウディン
(SKアブソリュート・ロシア)
1R 1:20、KO/下からのパンチ
■ 佐藤光留(83.8kg) セコンド:北岡悟、川村亮
■ ガジエフ・アワウディン(83.8kg) セコンド:
レフェリー:和田良覚
最後の展開ですが…。
佐藤光留:タックルを取って、フロントチョークが来たんですよ。足も最後出ていたんで、横にいってマウントとって、パンチにいった瞬間に、ずっとガードしているんで、返す力をあんまり感じなかったんですよ。一回、二回横に振ってきたんですけど、これは勝てるなと思って、パンチをまとめていったら、ガジエフの下から右振ったのが顎に当たって、もうそれでウ〜ン…ってなって前に倒れて。今左の歯が当たらないです。考えられないです。半分は僕の油断でしたね。もう勝ったと思ったんです。これで返されないし、殴っててガードが固まっているし…完全に油断でしたね。

パンチの間に?
佐藤光留:わからないです。右フックを喰らって、僕が倒れたのは覚えています。…痛ってぇ〜…。完全に油断でしたね。…負けです。あの体勢で返されないっていう誰かが作った常識が、僕の中にもあったっていうことですね。あそこで戦って終わっていなかったんですから、逆転されてもおかしくないですよね。でも、今まで人がやっているのを見たり、自分の経験の中にそういうのがなかった。そういう感じですね。

今後はプロレスに転向されるということで最後の総合格闘技ということでしたが、今日の経験を次にどう活かしますか?
佐藤光留:結局、ismの選手にも話したんですけど、リングで殴って関節を極めている時点でこれはプロレスなんですよ。やっぱり僕の思っていたことは間違っていなかったんだって再確認しましたね。総合格闘技っていうジャンルは、プロレスっていう傘下の一つだっていう、そういう気持ちでやっていたんで。だから、こういう言い方したらなんですけど、アレで早々に寝技に持ち込んでポジションも取ってマウント取って殴って…けど、最後に立っていたヤツが勝ちっていうのはプロレスも総合も一緒ですから。あと、ロシアのパンチはヤバイ。これからやる人は、寝技でスカッと勝つ人もいるかもしれないですけど、もう…こうしてインタビューを受けるまで気を抜かない方がいいんじゃないですか?(左頬を押さえて)ここがもう…試合が終わってから倍くらいになっているですよ。全然歯が当たらない。

顎がずれた?
佐藤光留:ちょっと腫れていますね。

気分的には総合に対してスッキリしましたか?
佐藤光留:負けてスッキリするヤツはいないですよ。勝ってもスッキリしない人もいると思いますけど。ただ、その昔出ていた人の言葉で「破壊なくして創造なし」ってのがあると思うんですけど、もしあのまま勝ってプロレスに出ていても、いつかまた転ぶと思うんですよね。一寸先は闇って。プロレスラーの人が言っている通りじゃないですか。「この業界は一寸先は闇だ」って。試合は最後に立っていたヤツの勝ち。プロレスも総合も一緒ですね。本っ当に一寸先は闇でしたね。

そういう意味では改めてそれを再認識した?
佐藤光留:まあ、それが気も心も知れないロシア人だったっていうことですね。気心が知れたヤツがやったからってそれが何なのかって思うのかもしれないですけど。ちょっと…何とも言えない気分ですね。今の総合格闘技っていう波の中にいるパンクラス。パンクラスにいたから僕今までやりましたけど、そうじゃなかったら多分プロレスもやっていなかったなってこの何日かですごい思いましたね。色々な価値観が出てきて、総合格闘技ってジャンルの幹がすごい太くなっているところですけど、根底にあるのはパンクラスの昔からもう15年やってきているものがあるって再認識しました。鈴木さんが「あとはお前らに任せたよ」って言って2005年5月に川村が膝蹴りでやられて、その後僕とエキシビジョンだけども拳合わせて。それから川村がデビューして、無差別とか僕しかやらなくなって。で、色々テレビでも総合とかやるようになって、その中で自分を見つけるっていうのは大変な作業でしたけど、一つプロレスっていう答えが出たんで、後悔はしていないです。スッキリはしてないですけど、今日の試合。負けですから。何も後悔はすることはなかったですね。

これで区切りってワケじゃないですけど…。
佐藤光留:いや、区切りですね。

新しい展開に向けて何かありますか?
佐藤光留:去年の半ばにこの試合をやっていたら、こんなに前に自分からは出られなかったです。人間何かを始めるときは、何かをやっぱり捨てないといけないっていうことなんですね。思ったら前に行くっていうことです。

これからの佐藤光留をどう見せるかということですか?
佐藤光留:いや、プロレスとか総合とか、例え僕がこの仕事を辞めても"佐藤光留"ですよ。リングネームだけどリング上がってなくたって一緒ですよ。この世でたった一人の、相手のセコンドに「半殺しにしてこい」と言われた、そういう人間ですよ。何も後悔することないですよ。ちょっと寂しいですけどね。このリングに今の時点でもう上がることはないっていう。その変わりこれから僕が上がるリングはもっともっと色んなものが渦巻いているリングですけど。