第5試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
ランキング9位
渋谷修身
(パンクラスism)

花澤大介13
(総合格闘技道場コブラ会)
2R 5分00秒、判定/0-3
判定:廣戸聡一(19-20)大藪吉郁(19-20)和田良覚(19-20)
■渋谷修身(81.6kg) セコンド:伊藤崇文
■花澤大介13(80.7kg) セコンド:三島☆ド根性ノ助
レフェリー:梅木良則

以前にも何回か言いましたが、花澤選手は好きな選手です。何が?と言うと、毎回毎回印象が変わります。練習の内容が凄く伝わって来る選手で、今回も入場、リングインしたところを「あ〜」と思いながら見ていましたが、上手くなっています。単純に言って、上手くなってます。という事は、強くなっているという事です。何故なら彼はタフな選手で、タフな選手の中で技術を磨いてきてますから、当前強くなっています。NKホール大会前のこのP.O.V.で渋谷選手を出場させるべきだという事を公言しましたが、その渋谷修身はこの日の後楽園ホールにはいませんでした。

序盤から前に出て行ったのは花澤選手でした。打撃で距離を取りながらタイミングを見計らい、試合を組み立てていこうと言う渋谷選手に対して、間合いを詰めながら、さっさと自分の組み手に持ち込むところは、相当圧力があり、凄いという印象です。その後の展開も、渋谷選手は階級をミドルに落としたとはいえ、彼のパワーというのは相当なものですから、花澤選手が力負けしないぐらいにきっちりと試合をしていたところが印象深いです。逆に渋谷選手はどうしてしまったのだろう?という感じです。スタンドで打撃の攻防をちらつかせ、スタンドレスリングになった途端、花澤選手に何もさせてもらえませんでした。テークダウンを取られ、後ろ、サイドにつかれ、上を取っても返される部分では、力が入り過ぎたのではないかと思います。力み、試合展開がじっくり過ぎて遅く、しかも力んでる為に変化が無い、作れないという、悪い時の渋谷選手が出てしまいました。しかしながら、その渋谷選手の短所を、悪い部分を引き出したのは、花澤選手の実力だと思います。今回はこの判定通りで、積極的に攻め続けた花澤選手のアグレッシブさに因る判定勝ちです。花澤選手はこういうところで印象を良くして、早くランキングマッチに名を連ねもらいたいし、ランカーになってもらいたいと思います。

渋谷選手に敢えて苦言を呈するとすれば、「だからNKホール大会に出場出来なかったのか」と、今回の様では言われてしまいます。ムラが多すぎるのは良くありません。前回のNKホール大会で、負けて歴史を作ってきたパンクラスが、これからは勝って歴史を変えていく。これは近藤選手一人の、個人的な一選手の思いとして言った訳ではありません。ismに課せられた宿命だと思うならば、常に勝ちの見える要素がある形で試合を終えなくてはなりません。例え負けたとしても、こうしていれば勝ったのにという部分が、試合中に足跡として残せているか? そういう部分から言うと、今回の渋谷選手は惜しくも何ともありません。何もさせてもらえなかった10分間という事になってします。そういう意味で、印象が凄く悪かったと思います。渋谷選手が駄目だという事では無く、対戦者との相性もありますから、こういう試合もあります。見ている以上に、選手自身が変だなと思ったりする場合もあるので、今更言われたくないと思うかもしれません。ですが、お客様は期待して見ますから、それを裏切らない様な、駄目なら駄目で、変だなと思う時でも、それなりの試合をすべきです。あまりにも動きが無さ過ぎたというのが、今回の渋谷選手の敗因だと思います。逆に花澤選手は良く動きました。

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