第5試合 ミドル級戦 5分3ラウンド
ランキング1位
竹内出
(SKアブソリュート)

久松勇二
(和術慧舟會TIGER PLACE)
3R 5分00秒、判定/3-0
判定:大藪吉郁(30-29)小菅賢次(30-29)梅木良則(30-29)
■竹内出(81.9kg) セコンド:松本天心、和田拓也
■久松勇二(81.7kg) セコンド:戸井田カツヤ
レフェリー:和田良覚

竹内選手はランキング1位で、ベルトにいつ挑戦し、巻くかという位置で、風格、戦歴、実績を加味しても、王座につくべき選手だと思いますし、闘い方に安定感があります。印象は、強い選手、です。それに対する久松選手は、前大会で佐藤 光留選手に勝利し、ようやくパンクラス初勝利をしての続く試合です。試合は最後まで竹内選手が先手先手で圧力をかけていきましたが、久松選手はそれをことごとく凌ぎ、一瞬の隙で突き返して、久松選手には失礼ですが、意外な展開になりました。

序盤は竹内選手の攻撃に会場が反応しましたが、2R半ば以降、逆に久松選手の返しで沸き出しました。その展開に、久松選手の初勝利に対する自信、そこまで行きつくまでの努力がこうやって実を結んで行くんだなと、私はバックステージから見てたのですが、感無量でした。一緒に練習してる方々と近いところで一緒に見ていたので、こういう裏方諸氏の存在も久松選手の躍進に一役買ってるんだなと凄く解りました。映像を見る機会があれば、以前の久松選手と現在の久松選手の構えを見てもらえば変化が判ります。以前は若干片足で主に立っていましたが、現在はちゃんと2本の足で立てています。そこが大きな違いで、自分に合った、自分なりの形を入れてきている事が、長年かかったけれども、一度手に入れたならば、ベルトに手の届く位置にいる選手と試合をしても遜色ありません。試合には負けてしまいましたが、闘いは五分でした。遅咲きだろうと何だろうと、真面目に地道に積み重ねて来た人達に光が当たるという、パンクラスらしいリングを見た様な気がして、ちょっと嬉しい気持ちになりました。しかしながら、竹内選手は流石でした。後半粘られ切り返され、上を取られたりす展開になると、しんどくなる時がありますが、終わりのゴングが鳴るまで、彼は久松選手と闘ってた言うよりも、王座に就く為の挑戦だったなと思います。その様な両選手の必死さが見て取れ、今大会唯一の判定試合でしたが、見応えがあり、意識の高さが感じられ、流石キャリアのある両者の試合だなというものを感じました。素晴らしい試合でした。

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