第3試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
ランキング6位
中西裕一
(フリー)

久松勇二
(和術慧舟會TIGER PLACE)
2R 5分00秒、判定/1-0
判定:和田良覚(20-19)小菅賢次(20-20)廣戸聡一(20-20)
■中西裕一(81.5kg)
■久松勇二(81.1kg)
レフェリー:梅木良則

久々の中西選手でしたが、相変わらずの軽いステップと綺麗に左右に回っていくフットワーク、そして鋭角に入ってくる攻撃と相変わらずの変幻自在振りを発揮し、いつ、どこからでも攻撃をかける中西選手らしい試合でした。対して、勝ち星にこそずっと恵まれず、苦労していた久松選手でしたが、一度勝ってからの久松選手は大変良いです。何が良いかというと、構えが安定しました。自分の構えだなという物をちゃんと手に入れたみたいで、そこからノーモーションのロー、ミドル、それから決して見た目は格好良くはないのですが、回転の良い打撃、そして粘り強い足腰。それに因った相手を少しずつ崩していくという粘り強い試合が身上です。試合は両者の良い所が随所に見られた試合でした。それが故に引き分けという形だったと思います。粘り強く、粘り強く、中西選手の下半身を崩しながら、打撃で入り、組んでテイクダウンを狙って行く久松選手に対して、中西選手はパンチで活路を見出そうと、そこから思い切りの良い仕掛け技をしていきながら一本を狙って行きました。本当にそれぞれの良いところが出て来たと思います。

特出したのは、意外にも久松選手のリードジャブです。これが良かったです。角度がついていて、真っ直ぐ踏み込むわけでは無く、若干角度がついていたので、さすがの中西選手もこのリードジャブは受けていました。これに因り、踏み込みが甘くなっていたのが、久松選手の粘りを生ませてしまいました。逆に中西選手は、自分の決めの部分を一度弱めてしまったと言えると思います。気になったのは、中西選手が頭を振り過ぎる事ですが、これは癖になりますから、以前の様なしっかりした構えに戻して行った方が良いと思います。動きの緩急が中西選手の真骨頂なので、頭を振るとそれが消えてしまいます。ですからその部分では仕切り直してもらいたいなと思います。折角ドローだったので、また見てみたい組み合わせです。

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