メインイベント ライトヘビー級戦 5分3ラウンド
第3代王者
近藤有己
(パンクラスism)

金原弘光
(U.K.R.)
3R 5:00、判定/3-0
判定:大藪吉郁(30-29)梅木良則(30-28)松宮智生(30-28)
■近藤有己(87.0kg) セコンド:伊藤崇文、田代勝久トレーナー
■金原弘光(89.6kg) セコンド:滑川康仁
レフェリー:岡本浩稔

試合前には多くを語らずに、やるべき事はやり、闘う意義をきちんと探しながら自分は今回もリングに上がるだけですと、近藤選手。金原選手はこの横浜文化体育館が最後のリングスの試合会場で、そこにまたリングがあり、試合に臨める運命の面白さみたいな物を感慨深げに試合前、語ってくれました。
序盤、1ラウンド、近藤選手は打撃できれいにリードして行きながら、実に堅い立ち上がりになりました。その中で上手く的確なパンチを入れながら金原選手との距離感を測りながら、殆ど組み合う事も無く、打撃で終始する試合前の予想通りの結果です。2ラウンドになり、序盤と同じ切り出し方でしたが、途中で近藤選手が少し不用意にミドルキックとパンチのコンビネーションを放とうとしているところでの距離の時、金原選手の物凄く良い左フックが入り、そこで近藤選手のスピードが落ちました。その後から金原選手も執拗に追いかけ闘う、特に1ラウンド早々に見せてくれた、足技に、膝十字に移行しようとする中で、足を取りに行く所なんかは、34才の金原選手がこれだけ思い切りの良い技を出す所は、過去に世界の強豪と試合をして来た事の所以の様な気がしました。
勝負は3ラウンド目に出ました。スタミナ切れして来た金原選手に、近藤選手が持ち前である無尽蔵のスタミナで自分のペースを掴み出して来て、最後はグラウンドのコントロールで自分のパターン、印象を強く打ち出し、そこが評価の差になったと思います。グラウンドコントロールと勝負に対する執拗な気持ちという所も含めて、近藤選手が競り勝った試合でした。

今大会7試合ありましたが、いずれ劣らぬそれぞれ自分の色をきちんと出し切っての試合で、凄く面白かったです。また来年、自分の選手としてのカラーを作り出して行く事が、どんな選手であっても、内容も伴って変わっていかなければいけない事なので、その辺を踏まえて、普段の練習をしてもらいたいなと思います。そして次の後楽園大会に大いに思いを馳せたいと思います。