第4試合 ミドル級戦 5分2ラウンド

佐藤光留
(パンクラスism)

久松勇二
(和術慧舟會 TIGER PLACE)
2R 5分00秒、判定/0-3
判定:廣戸聡一(19-20)大藪吉郁(19-20)和田良覚(19-20)
■佐藤光留(81.9kg) セコンド:渡辺大介、金井一朗
■久松勇二(80.9kg) セコンド:戸井田カツヤ、外山慎平
レフェリー:梅木良則

佐藤選手は細かい部分で良い闘いをしたと思います。一方の久松選手は、じっくり自分の出来る事をきちんとするという、今迄通りの試合の組み立て方で、静かなる闘志、自分の好機が来るのをじっくり待ち、そこから思い切りの良い試合をしました。佐藤選手は小さな所で上手くなってますし、技術的な部分でも改善されていますが、何と言えば良いのか、持っている技術を何でもかんでも出してしまいます。ですから、闘いをしてるのか、技の品評会をしようとしているのかという、新しい玩具を買ってもらった子供が、見せびらかしたくてしょうがない様な感じです。試合に対しての恐怖かどうなのかは判りませんが、基本的に試合に落ち着きがありません。自分が積極的に動きペースを掴もうとするのは良いのですが、逆にそこで動かなくて良いだろうと言うところで動いて、バックを取られたり、良いポジションを与えたり、良いのをもらったり、それらは全て不用意にで、そういうものが多すぎます。もう少し落ち付いて、自分がどういう風に決めていくのか、ストーリーを作らないと駄目です。単に思うがままに任せて動き続けるという、本能的な部分ではなく、相手を捕らえようという野生的な激しさなら良いのですが、彼はそういうタイプではないから、そうであれば、きちんとクールな一面を自分の中に持ちながら、それに従い作戦通りに動いて行く闘い方をしないと、試合数も増えていく訳ですから、勝っても負けてもどこか怪我をするという、リスクの多い試合をしていると、それは選手生命に関わるので、そういう意味で佐藤選手は考え時ではないかなと思います。

久松選手は、今回判定ながらもパンクラスでは初勝利ということで、それは嬉しいことでした。折橋選手やアライ、野沢、両選手の様に、前に出て、アグレッシブに何かをほとばらせながら闘う選手もいます。ですが、久松選手の様に、負けても、自分の思い通りに動けなくても、コンディションが思い通りではなくとも、ただ闘いたいという気持ちの中で、色々なプレッシャーの中で耐えながら試合を繰り返して行く。こういう勇気と粘り強さもあって良いと思います。そういう中で、今回初勝利を手にしたことが凄く嬉かったです。彼はプライベートも凄く真面目な人で、研究熱心で、私のストレッチ教室等にも顔を出してくれて、凄く広戸道場のスタッフとも仲が良かったりしますが、それだからという訳ではありませんが、そういう一面を見せているところが、逆に尊敬している点です。

それにしても初勝利は嬉しかったです。次回はもう少しタフな試合をしていきましょう。勢いのある相手を凌がなくてはいけない部分を身に付ける為には、もうちょっとタフな試合も必要です。

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